土壌の選択

設置にあたり考慮すべき基本的事項として、土壌の選択があります。植物の生長は根の張る広さに大きく影響を受けるので、壁面緑化に用いる植物の根をどこに設置するかが重要となります。

一般的に、地植(自然土壌)とコンテナ(人工軽量土壌)を比べると、根の張る広さ、植物の生長及び管理との間に大きな差があります。

地植(自然土壌)の特徴としては、自然土壌にはほぼ無限の根域がるため植物の生育は旺盛に成ります。

これは壁面緑化にとって、早期の被覆を促進します。反面、被覆後の維持管理に負担がかかりますが、ほぼ無限の根域から水分が供給されるので、植え付け当初以外の灌水はほとんど必要ありません。

最小限、土壌の性質(礫、砂、pH など)や土壌硬度(土壌の硬さ)にも影響を受けるので、適宜土壌改良などは行う必要があります。

一方、コンテナなど人工軽量土壌の特徴は、植物の根にとって良好な堅さと栄養分を持ち合わせていますが、地植に比べて容積が少ないので、自然に生育が抑えられます。

生育が抑えられるために剪定回数は少なくてすみますが、灌水は頻繁に必要になり、自動灌水の設置が不可欠です。

また、人工軽量土壌は多くの種類があり、その特性も多様で、選択の際には目的にあった選択が必要です。

例えば、十分な容積のコンテナを確保できない場合、保水性の高い人工軽量土壌を用いることで、灌水管理の低減、水資源の節約に繋がります。

一方、十分な容積のコンテナを確保できた場合には、下層部に排水性の高い人工軽量土壌を敷き、その上に保水性の高い人工軽量土壌を用いることで、下層部にたまりやすい余分な水分を排出し、植物の健全な生育を促せます。