植物設置場所の配慮

壁面緑化にはいくつかの制限があります。例えば、植物の設置箇所の高さと植物との相性植物には高さの限界があります。

壁面緑化によく利用されているナツヅタは数10mまで登はんしますが、ヘデラ類ではそこまで高く生育しません。

近年、学校の窓面に用いられているヘチマとニガウリでは、ヘチマは4階の教室まで被覆可能(地植の場合)ですが、ニガウリは2~3階程度です。

植物を選択する際には、覆う箇所の高さと植物の特性を考慮する必要があります。

導入する植物によっては、その特性に応じて必要な登坂補助資材を設ける必要もあります。

植物の生育と設置方位を考慮するのも大切です。例えば大気浄化の面では、接道部の建築壁面、石塀、遮音壁等汚染物質発生源近傍での植栽が効果的だとか目的によって植物を設置する位置は様々です。

しかし、植物にとってそれは、壁面緑化は建築物等の構造物に設置されるため、方位が限定されてしまうことになります。

一定方向から日射や風が当たることは、植物の生育方向への制限要因になり、質の高い緑を実現させることが難しくなります。

方位も南向きが必ずしも良いということはなく、日陰を好む植物もあります。西日を遮るために西面に設置するケースも多く見られますが、植物にとっては朝日が当たる方が生育にはいいことも知られています。

従来から行われている壁面緑化ですが、せっかく緑化したにも関わらず失敗してしまってはもったいないので、事前の計画で防げる部分を十分に棚卸ししてから実施することが必要です。