省エネルギー効果

屋上緑化に関するヒートアイランド現象緩和効果や省エネルギー効果等について、これまで多くの研究が行われ、現在では多くの人達がこれらの効果を認知するに至っていますが、壁面緑化に関しては、発表されるデータが少なく、その効果のほどが十分に認知されていませんでした。

しかし、近年の研究から、日中においては周囲の空気の温度上昇を抑え、夜間においては周囲の空気を冷却するなど、壁面緑化にヒートアイランド現象緩和効果を有することがわかってきました。

さらに、ユニット型壁面緑化の方が下垂型壁面緑化よりも効果が大きいなど、工法により環境緩和効果に差があることも実証されつつあります。

また、壁面緑化による各種効果の一つとして、室内環境の改善効果があり、これまで日射を遮る効果など様々な検証が行われています。

例えば、学校においては、夏季における教室内の高温化が生徒の学習環境に大きく影響しており、教室冷房化を実施、検討しているところもあります。

学校の窓外への緑化による室内熱環境緩和や生徒の意識変化、また試験用ログハウスへの屋根・壁面緑化による省エネルギー効果を調査したところ、住宅壁面温度が50℃を超えているにもかかわらず、屋根+壁区の壁面緑化部は、35℃前後に抑えられているという結果がえられ、壁面緑化に室温低減及び省エネルギー効果を有することが実証されたという報告もあります。

この結果から、緑化しなかったものと比べて、約30%の省エネルギー効果があることもわかっています。