維持管理計画

壁面緑化はそのタイプによって、完成後の景観はもちろん、設置コストや維持管理費、利用する植物も大きく異なります。

壁面緑化を設置する場合は、これまで記したように建物や周囲の状況等を考慮し、最適な手法を選択することになります。

その中でも、質の高い緑化を実現するためには維持管理は必須で、維持管理次第で植物の生長速度、すなわち被覆速度が変わってきてしまいます。

植物は生き物ですから、生長のために水や肥料が必要となり、もちろん病気にかかることや害虫による被害を受けることもあります。
健全で質の高い緑化を実現させるためには、一定程度の維持管理が将来にわたって必要となります。

維持管理には直接的な植物の維持管理と、灌水装置、支持体、植栽枡など設備の維持管理があります。

これらには個別に扱う場合と、一体として扱う場合があり、また、壁面緑化以外の、周辺の緑化の管理と一体化できるのか、壁面緑化単独で管理が必要なのかなど、様々なケースに応じた維持管理が必要となります。

設置箇所によっては、狭くて作業できない、高すぎて高所作業車が必要、作業にあたって通行人の安全管理や道路の交通を制限する必要があるなど、維持管理コストの上昇を招く要素も存在しているもの事実です。

屋上緑化を成功させるためにも、景観やイニシャルコストだけを考えるのではなく、事前にどのような維持管理(ランニングコスト含め)までなら負担が可能か、という点についても十分考慮し、全体的な計画を立てる必要があります。